ノンバンクからではなく、まずは他の民間金融機関や政府系金融機関からの資金調達を考えよう!!
今回は、いわゆるノンバンクを利用することによるデメリットを紹介します。
創業直後でその手軽さからノンバンクからの資金調達を考えていた経営者様の参考になれば幸いです。
はじめに
先日、私が相談を受けた創業直後の経営者様が、ノンバンクからの創業資金の調達を検討していました。
理由を聞いてみると、「手軽にすぐに借りらrれそうだから」とのことでした。
ノンバンクから借りるということを説明させて頂き、最終的には政府系金融機関からの調達に切り替えました。
やはり、時代というか、ノンバンクって身近な存在になっているのでしょうかね。
昔程ではないですが、今でもCM流しているところもありますし、大手金融グループの傘下等に入っているので、なんとなく信用力があるように見えるのでしょうか。
確かに、ノンバンクは、他の金融機関と比べると、メリットはあります。
しかし、私は、ノンバンクからの資金調達を第一に考えるべきではないと考えます。
誰も貸してくれない、貸してくれたがお金が足りない等のときの最終手段なのかなと。
借りるのは自分、返すのもの自分、ノンバンクを利用するという意義を正しく理解した上で、判断すべきと考えます。
ノンバンクを利用するデメリット
ノンバンクを利用するデメリットは、いくつかありますが、私は以下の2つが大きいと考えいます。
今後の金融機関取引への影響
自分の会社を設立し、事業をスタートしたのであれば、少しでも長く事業継続したい、成長したいと考えるのが常だと思います。
長く事業を続けるためには、お金が必要です。
事業が好調なときは問題ないですが、長く事業を続けていれば、不調の時期もあります。
そのような時は、やはり金融機関に頼る必要があります。
業績が悪くなってから、不調になってから、ノンバンク以外の金融機関から始めてお金を借りようとしても、なかなかうまくいかないのが現実です。
これがノンバンクなら、少額なら貸してくれるかもしれません。
ただ、その額では事業を再建できないかもしれない、金利が高くて余計に首をしめるかもしれないです。
ノンバンク以外から業績が悪い時でもお金を借りるためには、信頼関係が必要です。
貸したお金は必ず返ってくると金融機関に安心してもらうことが必要です。
そう思ってもらうためには、業績が悪くないときも、金融機関からお金を借りて返して返済実績を作り、信頼関係を築いていく必要があります。
最終的に頼れない可能性の高いノンバンクから借りるよりも、調達・返済が継続的な信頼関係構築に繋がる金融機関と最初からお付き合いしておく方が、はるかに自社の成長にも貢献します。
また、ノンバンクから資金を借りている会社は、他の金融機関から決してよい評価をもらえないです。
金融機関からお金を借りるためには、各金融機関の審査が必要になりますが、ノンバンクとの取引実績はプラス評価ではなくマイナス評価となります。
「なぜ、審査が甘いノンバンクからお金を借りたのか」、「他の金融機関から借りれない事実が何かあるのではないか」等、ノンバンク以外の金融機関は考えてしまいます。
こうなると、なかなかノンバンク以外の金融機関からお金を借りることが難しくなります。
どこも誰も貸してくれない最終手段としてノンバンクを検討するのはありだと思いますが、あえて正常時にノンバンクから借りるメリットは全くないと私は考えます。
調達額が少なく、金利が高い
調達できる資金総額という点においても、ノンバンクにはメリットはないと考えます。
複数のノンバンクを利用したとしても、通常は300万円、さらに消費者金融やカードローン等も含めて合計500万円ぐらいが限度だと思います。ノンバンクから1,000万円の調達は厳しいです。
ノンバンク以外の金融機関では、(会社規模や業績、これまでの信頼関係にもよりますが)数億円まで、調達額を増やすことが可能です。
金利という点においても、ノンバンクにはメリットはないと考えます。
利息制限法の適用を受けるノンバンクは、利息制限法の上限金利、もしくはそれに近い金利が普通です。100万円以上の借入だと、金利上限は15%(年)となります。
ノンバンク以外の金融機関では、(会社規模や業績、これまでの信頼関係にもよりますが)金利0%台~3%台(年)が通常だと思います。さすがに、10%(年)を超えるのはよほどの事情がない限りないです。
調達できる金額が少なく、金利も高いノンバンクから、あえて調達するメリットはないと考えます。
ノンバンクを利用するメリット
ノンバンクのデメリットばかり書きましたが、良い点もあります。
- 審査がゆるい
- すぐ借りれる
ノンバンク以外の金融機関とノンバンクを比較すると、ノンバンクの方が審査はゆるいです。
そのため、審査にあたって要求される資料等もノンバンクの方が少なくてすみます。
ノンバンクの方が審査はゆるいので、申込みから借入実行までの期間が短いです。
ノンバンクでは、数日で貸してくれるところもあります。
このようなメリットは、あえて正常時に享受するものではなく、異常時(どこも誰も貸してくれない時)に享受してはじめてメリットになると考えます。
まとめ
今回は、ノンバンクからの資金調達の意義について紹介しました。
私が、別にノンバンクが嫌いなわけでないです。
金融機関にもそれぞれのポジション、立ち位置があります。
それを正しく理解し、必要なときに適切な金融機関とお付き合いし、それを自社の持続的成長に繋げていけるとよいと考えます。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。