【事業性評価講座】会社概要の『モノ』を把握してみよう!!
今回は、会社概要で把握すべき『モノ』について紹介してきます。
前回よりもあっさりしているかもですが。。。
金融機関の方で、これから事業性評価を始める方、すでに始めているがなんとなくインタビューしている方、会社の方で金融機関の事業性評価対応をしているが(金融機関が)何を聞きたいのか理解できない方等の参考になれば幸いです。
『モノ』を把握しよう
『モノ』といっても、会社にある経営資源がすべて『モノ』とも捉えられなくもないですが、ここでは、有形・無形のモノで『ヒト・カネ・情報』以外という立て付けで紹介していきます。
有形・無形の『モノ』としては、主に以下を把握しましょう。
- 本社設備、工場設備(機械等含む)
- 知的財産(以下『知財』)
本社設備、工場設備
会社が持っている、利用している本社設備、工場設備については、以下の点を中心に把握しましょう。
- 所有者、賃借料
- 役割、機能
- 取得金額(初期投資額)
- 投資の回収期間
- 初期投資の調達方法
- 担保権の状況
- 稼働状況(稼働率、遊休の有無)
- 更新頻度
- 更新投資額の概算
- 代替可能性
所有者、賃借料
本社設備、工場設備の所有者は誰なのか、自己所有なのか賃借なのか、自己所有または賃借している理由、賃料はいくら支払っているのか、何に使用しているのか、なぜその金額なのか等について把握しましょう。
よくある例として、本社(土地、建物)を経営者一族から適正賃料以上で長年賃借していて、それが原因で会社のキャッシュ・フローが悪化しているなんてことがあります。
別に、経営者一族から借りていることを悪いといっているわけではなく、そのような実態についても事前に適切に把握しておくことにより、不足の事態における調整弁(業績悪化の際は、賃料を下げる等)として活用できることもあります。
取得金額、投資の回収期間、初期投資の調達方法、担保権の状況
いくらで取得し、当初の回収期間はどの程度を見込み、誰から資金を調達し、担保は提供しているのか等について把握しましょう。
更新頻度、更新投資額の概算、代替可能性
設備は何年で更新する必要があるのか、更新投資額はどの程度必要か、他の設備や場所で代替できるのかについても把握しましょう。
代替可能性を考えることにより、あえて現状と同じ設備、同じ場所にこだわる必要がなく、思わぬコスト削減等につながる可能性も考えられます。
知財
知財については、無形財産であり、目に見えないため、とてもわかりにくいものです。
実際のところ私もその道の専門家ではないのでよくわかりません。
知財の把握を行う目的は、その会社特有の技術やノウハウ等の特徴や強みを把握し、それらが効果的に活用されているか(商品としての魅力につながっているか、競技からの模倣・代替品の脅威を回避できているか、キャッシュ・フローの獲得につながっているかなど)を知ることにあります。
さらに、知財により競争優位が確保される見通しがあれば、将来キャッシュ・フローの実現に向けた取り組みも可能となります。
知財の把握を行う目的は、権利の金銭的評価ではありません、あくまで定性的な情報の収集にあります。
会社概要としては、主に以下の点を把握すれば十分です。
- 知財の有無
- 概要(件数、所有者、保護期間、権利侵害の有無)
- 今後の取得予定
- ビジネスとの関連性(定量化ができればベスト)
- 競合他社の状況
まずは会社概要において知財の触り部分を把握し、他の兼ね合いも検討し、知財をもっと深掘りする必要性があると判断したならば、知財ビジネス評価書の活用を検討してみるのもよいと思います。
まとめ
今回は会社概要の『モノ』を紹介しました。
会社には、どのような『モノ』があり、なぜ必要なのか、不足していないか等を理解し、有限の『モノ』を効率的・効果的にビジネスに活用できているのかを把握することが必要です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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